皮膚の話

暑い日が続きますが、むらた皮膚科はますますパワーアップして頑張ってます。 先日庄原市の広報に私の書いた「皮膚の話」が掲載されました。  以下に添付しますのでご興味のある方はご一読ください。  皮膚の話 人の身体の成分は60~70%が水分である。これだけの水分があるからピチピチと輝いている。昔々生命は海の中から誕生した。その後進化の過程で生物は陸に上がり、水分たっぷりの環境から、太陽の光をたっぷりあびる環境で生活するようになった。庄原のように、夏は暑くて冬は極寒の環境の中でも、この体の水分量を保つために皮膚は身体全体をラップのように包み、風が吹いても太陽を浴びても大切な水分を逃がさないように頑張っているのだ。 身体を守る 皮膚は外敵からの攻撃から身体を守るという重要な役割もある。ウイルスや細菌、紫外線などの有害物を最前線で防御している。 皮膚にはランゲルハンス細胞という皮膚固有の細胞があり、外から入ってきた異常なものをキャッチし、リンパ管を通ってその情報をT細胞に伝え、いわゆる免疫と言われる仕組みで異物を排除する。皮膚内のメラノサイトという細胞はメラニンという色素を生成し、皮膚色を褐色にして(日よけの傘のようになって)紫外線のダメージから身体を守っている。 また皮膚には痛みや圧、熱などのいろいろなセンサーがある。 コーヒーが皮膚にかかると「熱い!」と叫んで手を引っ込めるなど、脳で考える前に勝手に働いて、瞬時に身体をさらなる危険から守っている。 皮膚の病気 そんな大切な皮膚だが、病気にもなる。カンカン照りから体の水分を守ることに成功しても、身代わりとなって皮膚自身がカサカサの乾皮症という状態になったり、有害な紫外線から体内を守っても、皮膚自身が身代わりに皮膚がんを発症することもある。熱いコーヒーからの身体のダメージを最小限にした代償でやけどになってしまう。 オギャーと生まれた赤ちゃんは体の80%が水分と言われている。その水分量は年を重ねるとともに徐々に失われ、初老になる頃には50%程度まで失われるといわれる。外環境に対し最前線で頑張っている皮膚をしっかりケアして、良い状態の皮膚を保つことが若々しく健康でいることの秘訣の一つになると考える。